低資金で開業できるフランチャイズビジネスですが、いざ始めるとなると失敗を恐れてしまう人も多いと思われます。
そんな人たちに、フランチャイズビジネスの失敗原因と成功するためのフランチャイズの選び方を紹介しましょう。
フランチャイズ加盟店になり開業すると、3年後には70%ものお店が生き残るとされています。
フランチャイズビジネスは、ビジネス初心者でも比較的簡単に利益を出すことができるため人気があるのです。
また、フランチャイズビジネスの成功率は70%、失敗率は30%と、他のビジネスと比較して成功率が高いとされる点が、選ばれる理由の1つです。
しかし、いくら成功率が他のビジネスよりも高くても30%は失敗してしまうのが気になりますよね。
業種によっては失敗率の高いフランチャイズビジネスがあるのかもしれません。
失敗した30%は、どのような理由で失敗してしまうのか?
また、失敗する30%と成功する70%にはどのような違いがあるのか、見ていきましょう。
フランチャイズに失敗してしまう原因の1つは、「業種選び」です。
例えば、誰にでも取り掛かりやすいことをやるのと、ある程度経験がないとできないことをやるのは、かなり違いますよね。
フランチャイズビジネスは初心者でも安心ですが、経験度が試されるような業種をビジネスとして始めるのは大変です。
つまり、「未経験で準備不足」な業種を始めようとすると、その分ビジネスも失敗しやすくなってしまうのです。
介護サービス業界は、知識不足や人手不足が原因で失敗に終わる確率が高いのです。
特に人材は集めることが難しく、うまく人材を確保できないといつもスタッフ募集をしなければいけなくなり、採用のための出費もかさんでしまいます。
また、人材が集まっても経験がなければ、介護サービス業界を上手く回していくのは大変です。
それなりの経験や知識を持っていれば円滑に仕事が進みますが、介護は誰にでもできる、という認識を持っている人も多いので、そのような人が集まると仕事が上手く進みません。
スマートフォンの修理業者は、スマホ社会の中で初期投資額が少ないということで簡単そうに見えますが、そうではありません。
実はスマートフォンの画面が割れても修理に出すという人は少なく、予想していたよりも修理の需要がないのです。
また、修理技術を持つスタッフを確保するのも難しく、需要と供給がうまく成り立たないことが多いのです。
ただスマホが普及しているからと言う安易な理由でこのフランチャイズを始めた人は、失敗率が高くなっています。
初心者でも開業しやすいフランチャイズですが、何も考えずに適当に職種を選ぶと失敗に繋がってしまう恐れがあります。
なのでフランチャイズビジネスを始める際にはまず、経験のある職種を見ていくと良いでしょう。
どうしても未経験だと失敗しやすい経験があるので、失敗を避けたい人は少しでも経験のある業種を選びましょう。
資金不足により開業する日が遅れてしまったり、利益を出すのが遅れてしまうことがあります。
資金不足に陥らないためには、開業する前の計画段階で充分に「適切な資金の見積もり」と「余裕のある資金運営」について考えましょう。
初期費用を十分用意できないと、光熱費やテナント代など出費がかさんでしまい、経営を続けるのが難しくなってしまいます。
まずは必要な資金を計算し、自己資金だけに頼らずに初めはなるべく多めに資金を集めておきましょう。
また、借入先に関しても比較検討を行い、助成金や補助金も活用できるなら活用しておくと良いのです。
初めてのフランチャイズでやる気になるのも良いのですが、だからと言って初めから多額の資金を用意するのはやめておいたほうが良いでしょう。
多額の資金を用意しても、経営が回らなくなったときに資金が無くなり困ってしまうので失敗に繋がってしまいます。
特に初めて独立開業する人は、なるべく初めから低資金で開業できるフランチャイズを選びましょう。
自ら事業を営むときに、オーナーには「経営者としての能力」が問われます。
従業員を雇う場合だと、これに加えて「人材マネジメント能力」も必要になり、オーナー自身のオペレーション能力が試されます。
自分がオーナーとして人を雇い、一緒に一から自分のお店を作り上げていく事は、実は想像以上に難しいことです。
管理職経験が無いオーナーの場合は、こうした人材マネジメント能力を学ばなければなりません。
なので、特に経営やオペレーション能力に自信のないオーナーは、マニュアルが完備されていたり、システムが確立しているフランチャイズを選びましょう。
開業したばかりの頃は集客や宣伝に力が入りますが、人材を確保して教育する能力も大切になってきます。
なのでフランチャイズを選ぶ際には、人材育成のシステムが確立されているフランチャイズを選びましょう。
上記のようなフランチャイズの本部では人材育成の研修が行われているので、経営やオペレーション能力に自信のないオーナーは積極的に参加すると良いでしょう。
フランチャイズを始めたばかりのころは、良いチームを作ろうとして優秀な実績を持つ人ばかり選んで雇ってしまうことがあるかもしれません。
しかし、その人がすぐ辞めてしまっては困ったことになります。フランチャイズの経営者は、常に「能力が低い人も育てていく覚悟」を持って従業員を雇った方が良いでしょう。
また、採用する人の希望時間帯がお店の要望と合っていないといけません。
昼の時間帯しか出勤できない人ばかり採用していたら、昼や夜の時間帯が人出不足になってしまいます。
まず採用する前にしっかりと、自分のお店はどの時間帯に従業員が少ないのか、シフトを確認すると良いでしょう。
とにかく人員確保を気にして沢山の人を採用しても、働き手のレベルが低いと業務が上手く回らず困ってしまいます。
特に、「仕事に対する意識の低い人」には社会人としての自覚を教えなければなりません。
社会人としての在り方を教えても、仕事をサボる、お客様に対して嫌な顔をする、などといった問題行為が続けて見られる場合は、その分沢山その従業員とは話し合う必要があります。
それでも分かってくれない従業員には、まず、「人としてどうあるべきか」を説明すると良いでしょう。
環境の変化により、フランチャイズの経営が悪化してしまうこともあります。
環境の変化には、「競合店の進出」と「市場関係の変化」があり、「競合店の進出」に関してはコンビニ業界が典型的なケースといえます。
コンビニ業界では、自分の店の向かいや近くにライバル店が多数出店してくる場合が多いのです。
しかし、自分の店を地域のお客さんに売り込めていれば、ファンのお客さんがやって来てくれるのでそれだけで失敗の原因になることはあまりないでしょう。
「市場関係の変化」は、時代が進むにつれてどうしても起こり得る問題です。
インターネットの普及でお客さんがわざわざ店に足を運ばなくなったり、ビデオテープからDVDが普及してビデオテープが売れなくなったりするのも、「市場関係の変化」が原因です。
どれだけ自分の店を好きでいてくれるお客さんのファンを増やせるかで、この先、失敗しやすくなるかどうかは変わります。
コンビニは、淡々と働くイメージが強いのでファンは増やしにくく、ライバル店が進出した時にも影響を受けやすくなります。
それと対象に、飲食業のようなお客さんと身近なコミュニケーションを取りやすい業種はファンを獲得しやすいため、ライバル店が出店しても影響を受けにくくなります。
フランチャイズを始めてから黒字化するまでにかかる期間は、短くて2年、長くて5年とされています。
まず、「想定していたよりも売り上げが上がらない」というのが大きな原因に挙げられます。
フランチャイズを始めたばかりでも、一つの経営方針に縛られるのではなく、経営戦略を何度も考え練り直して立てないと機能的にお店が回らなくなってしまうのです。
最低保証制度とは、店舗の経営を行う際に、本部が必要な経費を保証してくれ、経営の補助をしてくれる制度のことを言います。
この制度では、初期の売り上げが伸びない時期にも経営に必要最低限な資金を確保することができます。
また、必要な資金が確保されることで店舗経営に専念できるので、黒字化にもつながります。
この必要な資金を確保できるという点は、起業する上で大きな助けとなります。
しかし、事業が軌道に乗れば保証制度が適用されなくなる、オーナーの収入の保証はしてくれない、などの問題もあるので、この制度のあるフランチャイズが必ずしも黒字化するとは限りません。
仕事内容にもよりますが、フランチャイズに失敗したからといってすぐに辞めることはできません。
特に介護業などの場合は、すぐに施設などをなくしてしまうと介護サービスをご利用の方にご迷惑が掛かってしまいます。
施設形態によって異なりますが、このように施設やお店をなくすとお客様や利用者様にご迷惑が掛かってしまう場合は、最低でも1か月前には届け出を出さなければいけません。
なのでもし施設やお店を潰したり辞める場合は、早めに決断して早めに手続きに入ると良いでしょう。
フランチャイズ事業は、基本的に始める前に「初期費用」と「運営費」が必要となります。
「初期費用」は店舗や設備を整えるためのお金、「運営費」は人件費や光熱費、仕入れの際のコストなどのお金のことを指しますが、これらのお金はオーナーがすべて払うわけではありません。
これらの金額が高額の場合は、オーナーの自己資金だけでは足りないので、各金融機関から融資を受けることになります。
しかし事業が上手くいかず廃業になった場合は、これらのお金を返済しなければならず、結果的に借金となってしまいます。
また、借金となるのは「初期費用」や「運営費」だけではありません。
廃業した際に、人件費やその他コストが予定より多く出てしまっていたり、売上額を上回ってしまうと、それらの赤字はそのままオーナーの借金となってしまいます。
更には、フランチャイズ本部に対し、事業や顧客、他者を要因として不利益を生じさせてしまった場合は、損害賠償が発生してしまいます。
このように借金をすることは営業を進めていくうえで不可避になってしまいますが、借金をなるべく出さないための対策はあります。
まずは、本部から提示された売上予測を鵜呑みにしないことです。
売上予測はただの予測であり、売り上げや収益を確実に保証するものではありません。
フランチャイズを選ぶ際には、本部から提示される売上予測をしっかりと確認し、売り上げを保証するものではないと覚えておきましょう。
次に、経営に不安を感じた時には見切りをつけることです。
赤字続きの経営を続けてしまうと、後に廃業した時に莫大な借金になりかねません。
そうならない為にも、自分が経営に関して不安に思うことが続いたり、これ以上借金抱えられないと感じた場合には、潔く見切りをつけて事業を終了させましょう。
本部から指示を貰うとはいえ、実際その現場を動かすのはオーナーです。
そんな時に、現場の状況をきちんと把握できていないと失敗しやすくなります。
例えば、日々の業務管理、従業員の採用・指導、その地域の特徴や客層などを理解することも、現場の状況を把握することに繋がります。
ちなみに他人任せにするのはなおさら良くなく、オーナーとしてしっかり責任を持った行動が現場では求められています。
店舗の運営方法やビジネスの創意工夫も、自分で現状を把握してどう行動したら良いのか考えましょう。
フランチャイズのメリットは、本部から経営指導やノウハウ支援、ブランド力の活用法などを教えてもらえるところです。
しかし、それらをどう活用してどう動くかはオーナー次第であり、動いた結果もすべてオーナーの自己責任です。
本部に経営のすべてを頼りすぎてしまうと、なかなか成功を掴むことはできません。
オーナーは、フランチャイズについて自分で勉強したり、経営者同士で情報を交換したりと、積極的に経営を学ぶ姿勢を大切にすると良いでしょう。
フランチャイズを始めてみて従業員が集まっても、従業員のやる気がなければ経営は上手くいきません。
従業員にやる気がなかったり、問題がある場合はきちんと怒りましょう。
怒らないと、「この人は何をしても怒らないんだ。甘えてもいいんだ」と思われ仕事をしなくなってしまうこともあります。
「人出不足だから、ここで怒ったらこの従業員さんは辞めてしまうのではないか」と思われるかもしれませんが、辞められることを覚悟してでも怒らないと上下関係が逆になってしまいます。
フランチャイズで失敗しないためにまず前提として考えることは、なるべく経験のある業種を選ぶことです。
また、低資金でできる外部環境の変化があまりないフランチャイズを探し、かつ、オペレーション能力をサポートしてくれる本部を持っている所を優先的に選ぶと良いでしょう。
フランチャイズを始めた後も気は抜かず、現場の状況を見てうまく情報収集し、すべての責任は自分にある、という強い意志を持って仕事へ励みましょう。
元々フランチャイズの本部側にいましたが、独立したい気持ちが強かったので開業しました。
しかし実際に起業してみると、立地は悪く周りにライバル店も多数あり、お店の入り口も狭かった。
最初はまあまあ入っていたお客さんも、月日がたつごとに少なくなっていきました。
結局、フランチャイズの本部側にいたとはいえ経営に関して知らないことも多かった事が原因となり、8か月で店を閉店させました。
フランチャイズ展開する居酒屋に加盟し、本部のスタッフとも良い関係でお店の営業を始めました。
そして営業に関する工夫を頑張って続けていく結果、フランチャイズ店の中でも上位に入れました。
しかし、他のフランチャイズ店も負けておらず、売り上げをどんどん伸ばして自分の店を追い抜いていきます。
本部に助けを求めるも、前のように親身な対応はしてくれず、不信感が募るばかりだったのでついにフランチャイズを脱退。
しかし、フランチャイズの看板を外したことで知名度は皆無となり、まったくお客さんが来なくなってしまったのです。
フランチャイズ脱退から半年で閉店することになりました。
元々ブラック企業に勤めていたこともあり、加盟したフランチャイズの説明はとても丁寧で、紳士的に見えました。
「開店から3か月は景気が良い」という言葉を信じ、お店を開業。
説明通り3か月までは景気よくお店が回りましたが、問題なのは4か月目からでした。
お客さんが来なくなり、フランチャイザーに説明会の時に見せられたシミュレーションとはかけ離れた状態になりました。
結局、自分が見せられたシミュレーションは開店から3か月のデータをまとめたものだと気づき、お客さんも来ない為閉店しました。
夫婦でフランチャイズのコンビニ直営点を経営し始めました。
多くのコンビニではパートナー制を採用しており、24時間経営のコンビニでは、常に店の責任者が店舗にいなけらばなりません。
また、コンビニには店長のほかにマネージャーというポジションの人物も必要だったため、自分を店長にしてマネージャーを妻にしました。
しかし自分が加盟するタイプのコンビニは本部へ上納するロイヤリティが高く設定されていたため、売り上げが低迷し始めてしまったのです。
最低保証制度がありましたが、夫婦合わせての収入は少なかったので、借金は膨らむ一方でした。
結局、加盟契約解除もペナルティのお金が発生するのでできず、経営再建をすることに。
妻とは仕事をめぐって仲たがいすることが多かったため離婚してしまいました。
商品を自分で選べ、値段も自分で決定でき、ネット通販可能である、という本部の方針に共感したので、小売店のフランチャイズチェーンを始めました。
オープン初日から繁栄店となりましたが、1週間で店の在庫が尽きてしまうことに。
何とか仕入れを確保しましたが、お客さんはいなくなってしまい、本部からもサポートはありませんでした。
しかも、今お店がある土地があと半年しか使えず、半年後には撤去しなければならないことが判明。
フランチャイズの本部がその土地を探してきたことを思い出し、もっと慎重になるべきだったと後悔しました。
元々フリーランスのITエンジニアとして仕事をしていましたが、それだけでは将来が不安になり、デイサービスのフランチャイズを始めました。
デイサービスなら働いているスタッフに指示を出せば良いだけで自分は特にやることもないと思っていたので、楽に経営しながらITの仕事を並行して行うつもりでした。
しかし、現実は甘くありません。仕事はエンジニアとしての経験しかなかったので、スタッフや利用者とのコミュニケーションが不十分に。
また、介護事業の面白さや重要性もいまいち理解することができず、ついには経験豊富なスタッフには見下されるようになってしまったのです。
結局、デイサービスの仕事に専念してITの仕事はできなくなり、人出不足が生じて経営も改善されなくなりました。
もうどうしようにもなくなったので廃業の決意をしましたが、廃業して残ったものは借金だけでした。
※収益モデルの数値に関しては、あくまでシミュレーションであり、売上を保証するものではありません。
開業資金であるリスクについて、開業資金が100万円未満をローリスク、100万円以上から1,000万円未満をミドルリスク、1,000万円以上をハイリスクとしています。また、5年間の収益であるリターンについては、収益が2,500万円以下をローリターン、それ以上をハイリターンとしています。なお、各費用の詳細は公式サイトから引用のうえ記載し、5年間の収益については5年間の営業利益から開業資金を引いた額から算出しています。